賃貸物件でできる防音対策について!床・壁・天井でご紹介

賃貸物件でできる防音対策について!床・壁・天井でご紹介

部屋が隣接する賃貸物件には「近隣の音が気になる」「音のクレームがこないか心配」など、音にまつわる悩みがつきものです。
賃貸物件でもできる床・壁・天井の防音対策を講じ、音に左右されにくい住環境を手に入れたいとお思いの方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、賃貸物件でもできる床・壁・天井の防音対策をご紹介します。

賃貸物件でもできる床の防音対策

賃貸物件でもできる床の防音対策

賃貸物件で多くの方が気を遣うのが、物を落とした音や移動させる音、足音など、床を伝って階下に伝わる生活音です。
こうした床伝いの生活音は、防音カーペットや防音マット、防振マット、スリッパなどで対策できます。

床を伝う音の種類

具体的な防音対策の前に、まずは床を伝う音の種類を見てみましょう。
床を伝う音の多くは、物体を通して伝わる「固体伝播音」であり、重量床衝撃音と軽量床衝撃音の2種類に大別できます。
重量床衝撃音
重量床衝撃音とは、何か重いものを落としたとき、移動させたときの、重く低い音のことです。
重量床衝撃音が伝うのは、賃貸物件の構造による部分が大きく、一般的な防音対策では限界があるといわれています。
軽量床衝撃音
軽量床衝撃音とは、食器やスプーン、おもちゃ、硬貨などを落としたときの、軽く高い音のことです。
重量床衝撃音とは異なり、一般的な対策でも効果が見込めるため、床の防音は軽量床衝撃音をメインにおこないましょう。

遮音性能を表すL値・ΔL等級

防音対策グッズには、L値・ΔL等級のどちらかで遮音性能が表示されています。
適切な防音対策グッズを選ぶために、L値・ΔL等級とは何か、どう見るのかを知っておきましょう。
L値
L値とは、上階の音が下階に響く程度を数値化したものであり、小さいほど遮音性能が高くなります。
重量床衝撃音に対するL値はLH、軽量床衝撃音に対するL値はLLで表され、たとえば、賃貸物件の一般的な遮音性能は「LL-45」以下といわれています。
ΔL等級
ΔL等級とは、衝撃音を小さくする効果を数値化したものであり、2008年から新たに使われ始めました。
重量床衝撃音に対するΔL等級はΔLH、軽量床衝撃音に対するΔL等級はΔLLで表され、L値とは異なり、大きいほど遮音性能が高くなります。

賃貸物件の床におすすめの防音対策

賃貸物件の床におすすめの防音対策として、防音カーペット・防音マット・防振マット・スリッパをご紹介します。
防音カーペット
防音カーペットとは、通常のカーペットよりもパイルの密度や長さがあるもの、あるいは裏面に吸音性のある素材を貼り合わせたもののことです。
敷くだけで手軽に取り入れられるうえ、幅広いラインナップから部屋の目的・雰囲気にあったものが選べます。
防音マット
厚みのあるマットであり、防音カーペットと同じく、敷くだけで手軽に取り入れられ、幅広いラインナップから部屋の目的・雰囲気にあったものが選べます。
また、水洗い・水拭きできるためお手入れがしやすく、特に一部が洗い替えできるジョイントマットは、小さなお子さまを持つご家庭におすすめです。
防振マット
防振マットとは、振動を弱めて音を小さくしてくれるマットのことであり、家電やエクササイズマシンの振動音、楽器やスピーカーなどの防音対策に高い効果が見込めます。
スリッパ
クッション性の高いスリッパを履くと、足音の衝撃がやわらぎ、軽量床衝撃音を軽減できます。
サイズの合わないものは、かえってパタパタと音を立てる可能性があるため、できるだけ足にフィットするものを選びましょう。

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賃貸物件でもできる壁の防音対策

賃貸物件でもできる壁の防音対策

賃貸物件では「外部から壁を伝う騒音が気になる」「内部から壁を伝う音漏れが気になる」双方のケースがありうるでしょう。
こうした壁伝いの音は、防音対策グッズを置いて、あるいは貼って対策できます。

壁を伝う音の種類

具体的な防音対策の前に、まずは壁を伝う音について見てみましょう。
壁を伝う音は、空気伝播音と固体伝播音の2種類に大別でき、それぞれ適した対策が異なります。
空気伝播音
空気伝播音とは、車や飛行機の音、話し声など、空気を通して伝わる音のことであり、音を跳ね返す「遮音」、または音を吸う「吸音」で対策できます。
固体伝播音
固体伝播音とは、足音や落下音など、物を通して伝わる音のことであり、音の振動を弱める「防振」により対策できます。

賃貸物件の壁におすすめの防音対策

賃貸物件の壁におすすめの防音対策として、防音対策グッズを置く・貼るの2つをご紹介します。
防音対策グッズを置く
スタンドやパーテーションなどの防音対策グッズは、置くだけで簡単に空気伝播音に対応できます。
また、壁との間に3cm以上を開けて置けば、固体伝播音への対策としても有効です。
スタンドは、本体に吸音フォームがついていることが多く、音源の近くに手軽に置けるため、ゲーム実況や音楽の収録に便利です。
特定のタイミングでのみ使いたい、収納スペースがあまりないときは、コンパクトに折りたためるものを選びましょう。
パーテーションは、30〜50cmのデスク用から背丈程度のものまで幅広く、高さがあるタイプは目隠しとしても役立ちます。
防音対策グッズを貼る
吸音材・遮音材を壁に貼れば、空気伝播音に対応できます。
無地・美しい模様・木目調など、デザイン性に富んでいますので、部屋の雰囲気にあったものを選びましょう。
ただし、剥がすときに壁紙を損傷しないよう、貼り方には注意しなければなりません。
とくに、専用接着剤で貼り付けるタイプは、マスキングテープや養生テープ越しに貼り付けるなど、壁紙を保護する工夫が求められます。

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賃貸物件でもできる天井の防音対策

賃貸物件でもできる天井の防音対策

上階からの騒音は、賃貸物件によくある悩みの一つです。

天井を伝う音の種類

具体的な防音対策の前に、まずは天井を伝う音について見てみましょう。
天井を伝う音は、上階の住人にとっての床を伝う音であるため、多くは物を通して伝わる固体伝播音だと考えられます。
賃貸物件の構造による部分が大きいため、根本的な解決は難しいものの、防音対策によってある程度の軽減が見込めます。
上階の住人に相談しても改善されないときは、ご自身で防音対策を講じてみるのが良いでしょう。

賃貸物件の天井におすすめの防音対策

賃貸物件の壁におすすめの防音対策として、家具の配置を変える、吸音材や遮音材を貼る、の2つをご紹介します。
家具の配置を変える
音が気になる場所に家具を配置すれば、天井からの音が家具に吸音・遮音され、それだけで防音対策になります。
上階からの音の原因を把握し、その場所に上手く家具を配置できるよう、調節してみましょう。
吸音材や遮音材を貼る
効果は限定的ではありますが、天井に吸音材や遮音材を貼っても、ある程度の防音対策になります。
パネルやシートなどのようにさまざまなタイプがあり、それぞれ得意とする音が異なりますので、気になる音に適したものを選びましょう。
吸音材と遮音材の双方を貼り付けると、相乗効果が発揮され、より有効な防音対策になります。

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まとめ

賃貸物件の床の防音対策としては、防音カーペットや防音マット、防振マット、スリッパなどが挙げられます。
また、壁の防音対策としては、スタンドやパーテーションなどの防音対策グッズを置く、あるいは吸音材・遮音材を貼るのが効果的です。
その他、天井の防音対策としては、家具の配置替え、吸音材・遮音材のどちらか、または双方の貼り付けが挙げられます。